>>レコーディングのお話その1
そしてレコーディングが始まるのですが、
先ずはリハーサルを数回しました。
今回のレコーディングは、ツアー中におこなわられたもので、
実はもう既に、日本人ウロツテと、バリ人WBCの間の演奏時の呼吸は
あっていました。
でも、所々ウロツテ側の演奏に修正が加えられていきます。
大自然のエネルギーが降り注ぐ森の中では、自然とその答えがわき上がってくるような
不思議な感覚に包まれました。
そして本番レコーディングがスタート。
一回目、確かスカル・ゲンドッ。
ガンサのニョンさん(bali)とサクラ君(bali)の二人が実に楽しそうに、
でもぐいぐい引っ張っていく感じの大きな流れの中に身を任せて演奏していました。(僕だけか?)
レコーディングしている時は、あまり気がつかなかったのですが、
聞き返してみると、鳥の声や、ガムランの音に反応する犬の声、風で葉っぱと葉っぱがこすれる音、どっか遠くを飛んでいる飛行機の音など、野外レコーディングだと何も包み隠さず音になって録音されていきます。
ここも聞き所なのかもしれません。だって僕たちその森のそこで演奏していたのですから。
レコーディングも数曲すぎた頃、ダユちゃん(Bali)の歌も入れてもらいました。どこかに消えてなくなってしまいそうなその歌声、まさにそこにはバリの姫がいましたよ。
その歌声に、僕もクラクラになりました。
全部で5-6曲レコーディングしましたよ。
その最後はスカル・エレットだったか。
演奏時間も5時間と語っていたので、さすがにその町の人も何の音だろうと、森の中を散歩がてらに見学にきていた人たちもいました。
スカル・エレットすごかったですよ。だっておっちゃんたちが、威勢良く全員でバリの笛(スリン)を高らかに吹いているのですから。森がざわつくような空気になりましたよ。ほんと。
森は夕方になると突然に寒くなる。それは僕たちのレコーディングの終了のお知らせだったのかもしれません。そうでもしないとこのレコーディング夜中までやってしまいそうでした。
寒くなった所で、誰からともなく、まあこの辺でやめますか。って雰囲気になって。
今日のレコーディング終了。
泊まっていた素晴らしい一軒家に皆帰り、しばらくコーヒーと煙草で談笑。
じゃあそろそろ聞いてみますかと、その日取った音をプレイバック。
皆の顔から笑顔がこぼれた。
これでいいのだ。
ウロツテノヤ子10周年。笑顔でスタート!
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